呼吸が楽に出来れば泳げる距離がグンと伸びる。クロールを上手に泳ぐには…という話(その4)

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クロール

こんにちは

A1班とB3班を受け持っている篠塚です。

このクロールの話、前回の記事「クロールを上手に泳ぐには、腕のかきが推進力の源泉となる…という話(その3)」では腕のかきの練習のポイントについてご説明致しました。
今回は呼吸の動作についてです。

その前に…バタ足の指導に関して頂いた質問に回答します

前々回の記事「クロールを上手に泳ぐには、バタ足が大切…という話(その2)」では、バタ足の練習に関して書きましたが、その内容に関してお問い合わせがありました。

 

「板キックの練習で、キックを指導するにはどの様に手を貸せばよいでしょうか?」

 

これですねぇ…小生も悩ましいんですよ。

 

腰掛けキックに関しては記事に書いた通りですが、板キックの場合は泳いでいるために生徒の身体は不安定なのです。以下は、腰掛けキックの指導に関する小生の記述のコピペです。

 

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インストラクターにとっては、腰掛けバタ足の指導の際、生徒の身体を持つ場所はどこか?という問題があります。
学生の頃、小生は

 

左右の足の親指を持って動作指導を行うのが、脚の筋肉の構造上は望ましい…

と指導を受けましたが、これが極めて困難なのです。で真偽の程を確認したところ、実際にやるのは難しいので、やはり悩んでいる、とのことでした。で、行き着いたのが幼児の場合は腿を持ち、小学生の場合は膝の少し下をごく軽く持って指導をする、という方法です。

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学生の頃、板キックの指導に関して小生が学んだことは、以下の通りです。

 

  1. 生徒を、指導者の利き腕の側に位置させる。
  2. 生徒の身体の側面と指導者の身体の側面を接触させ、生徒の身体を安定させる。
  3. 膝より上(要するに太もも)を持ち(掴むのではなく)、動作を補助する。

 

しかしながら、手の平のサイズと太ももの太さの関係で、これまた実際上は非常に難しいのです。女性の指導者が小学生の高学年の補助をするのは、かなり困難でしょう。その際の指導者の動作は、

 

  • 太ももを持ち上げる時は人差し指〜小指の4本を添えて補助。
  • 太ももを押し下げる際は親指を添えて補助。

 

に成らざるを得ないと思います。指導者の手の平の大きさと生徒の身体の大きさとによっては、太ももを補助することが出来ず、もう少し細い箇所での補助になるのもやむを得ないと思います。ただ、腰掛けキックの項でも書きました様に、足首を掴んでグイグイと指導するのは避けるのが望ましいと考えます。

 

1の生徒を指導者の利き腕側に…というのは、利き腕で生徒の外側の脚を補助するのが力が入りやすい、という観点に基づいたものです。

どうぞお試し下さい。

 

呼吸の動作は正しい動作を少しずつ積み上げて指導する

クロールの呼吸の動作を練習する段階の生徒は、面かぶりクロールで10メートル前後は泳げるようになっています。しかしながら、覚えたての泳ぎの動作は不正確で、スピードも十分ではないために、姿勢が崩れる可能性を常にはらんでいます。

 

そうした場合、クロールの呼吸の練習もいきなり腕の動作に合わせて呼吸をするのではなく、段階を踏んで新たな動作を少しずつ学んで貰います。

 

  1. 陸上で顔を横向きに上げる動作の練習
  2. 横向き呼吸バタ足の練習
  3. 陸上で腕の動作に合わせて顔を横向きに上げる練習
  4. ビート板付き片手クロールの練習
  5. ビート板付き両手クロールの練習
  6. ビート板無しでクロールの練習

 

それでは、個々のポイントをご説明申し上げます。

 

まずは顔を横向きに上げる練習から

水泳の基本的な呼吸法については、前呼吸バタ足で練習をしているので、1&2でそのヴァリエーションとして横向きの呼吸を練習します。

 

クロールの呼吸ですが、左右のどちらに顔を上げるか?と言うのは、結構重要な問題です。それは、大概の場合、得意&不得意の問題なのです。フリッパーの練習では、左右両方とも呼吸出来る様に指導しますが、導入の際は、どちらか得意な方でスタートするのが良いのでは?とも思っています(ただ、実際の指導では、右側をやり、左側も…と両側を練習します。その方が、指導の効率が良いためです)。

 

顔を上げる方向に関しては一般的に、振り返る時に自然に振り向く方で息継ぎをすると、回転がスムーズにできる場合が多い、とされています。そこで、生徒に

 

「振り返る時はどちらから振り向く?」

 

と尋ねて回答が得られればその方向で息継ぎの練習を始めます。また、左右どちらか分からない時は、生徒の背後から声を掛けてみて、振り向いた方向が導入の練習に適した方向です。

 

 

1では、陸上(赤台の上)で顔を横向きに上げる練習を行います。顔を上げる側の腕を身体の横に沿わせ、反対側の腕を前に伸ばします。

 

顔を上げる時は、振り返る時と同じ様に、まず首を、続いて肩→腰を回して顔を横向きに上げます。アゴを引き気味にして首を回すと肩とアゴが接近します(ゴーグルなしでこの動作をした時に、顔を上げる側の肩が視界に見えます)。その状態では顔が水上に出てこないので、肩を後ろに引くように身体をローリングさせ顔の下端が水面と接している状態まで顔を上げます。

 

その際、前にある腕の肘が伸びているか?、伸びた肘のあたりに耳の後ろが付いているか?が呼吸に於けるチェックポイントです。

 

腕と耳とが離れてしまう生徒には「前にある腕を枕にして頭をのせてごらん」と、また、首をあまり回さず、身体そのものを大きく回し、身体が横を向いてしまう生徒には、「まず首から回し始めて、それで足りない分、肩を後ろに引くといいよ」と声を掛けます。

 

呼吸が終わったら、元の位置に顔を戻します。

 

この一連の動作を前呼吸バタ足と同じく、「1、2、3、パッ」と掛け声を掛けながら行います。

 

 

1の動作が出来たら、2の横向き呼吸のバタ足を練習します。可能であれば、ビート板は持たずに手を載せるだけで練習します。ビート板を持つと腕や肩に力が入ってしまい、首のスムーズな回転を阻害する可能性があります。

 

実際に泳ぐと、足が地に付いた陸上での練習とは異なり不安定なので、顔を高く上げたり、前を向いたり、天井を見たり、長〜く呼吸をしたり、と様々な状態になってしまうのが一般的です。顔を上げた時に視線を向ける場所を示し(小生の場合、呼吸をする時、生徒の顔の正面に指を差し出します)意識を集中させると上手く行くことが多いです。

 

 

バタ足を打ちながらでも、陸上での動作と同じ様に呼吸が出来ていれば、いよいよ腕の動作を追加しましょう。

 

身体のローリングと同期した動きで呼吸を行える様に

横向きバタ足が出来たら、今度は腕の動作に合わせて呼吸をする練習です。

 

3では、陸上(赤台の上)で腕の動作とともに顔を横向きに上げる練習を行います。両手を前に伸ばし、息継ぎをする側の腕を回しはじめたら、息を「フゥッ」と吐きつつ顔を横に向け、「ハァッ」と息を吸います。手が顔を前を過ぎたら顔を水に浸け始め、手が前に揃った時に顔も元の位置に戻ります。

 

1の時と同じく、前にある腕の肘が伸びていること、伸びた肘のあたりに耳の後ろが付いていること、身体のローリングが大きくなりすぎていないことに注意を払います。

 

この一連の動作を前呼吸バタ足と同じく、「1、2、3、パッ」と掛け声を掛けながら行います。「1、2、3」の間は腕を前に揃えたままにし、「パッ」の時に息継ぎをする側の腕を回します。生徒が混乱しない様に、出来る限り掛け声に共通性を持たせることが大切です。

 

 

ここまで出来たら、次は腕を付けて泳ぎながらの呼吸の練習をします。でも、まだ、片手だけです。

 

2の時と同様に、前に伸ばしたままの腕はビート板を持たずに手を上に載せましょう。息継ぎをする側の手はビート板の下に伸ばして下さい。陸上と同じ様に「1、2、3、パッ」と掛け声を掛けながら呼吸の動作を行います。

 

いざ泳ぎ始めると、呼吸の動作が正しく行われているか?に加えて、タイミング良く呼吸が出来ているかを確認します。それは、身体のローリングと腕の動きがスムーズに同期しているか?その動きと呼吸のタイミングが同期しているか?がポイントです。

 

腕を付けずにバタ足だけでやっていた時は分からなかった、腕の回転のサイクルに呼吸を完了させられない生徒は必ず居ます。その様な生徒は、顔を上げる前に呼気が完了していない場合が多いです。そうした生徒に対しては

 

  • 深い呼吸ではなく、1/2(半分くらい)の呼吸
  • 素早く吐き、素早く吸う呼吸

 

のアドバイスを行えば良いでしょう。

 

早めに吐き出せば?という見解もありますが、初心者の場合スピードがないので水中で息を吐くと体が沈み、それに伴い姿勢が崩れるために正しい動作では泳ぐことができません。素早い呼吸をマスターさせることが大切だと考えます。

 

 

4のビート板付き片手クロールが左右両方とも出来る様になったら、今度は両手を使って泳ぎます。

 

いよいよ両手を使ったクロールに。少しずつ補助を減らして行きます。

ビート板付き両手クロールを行う際、生徒にはビート板の後端を持たせます。

 

顔を上げさせるのは2かきに1回が良いと思います。両側に顔を上げさせたいために3かきに1回顔を上げる方法もありますが、練習の目的が正しい呼吸動作の習得にあるので、出来るだけ多くの回数の呼吸を行うことが大切です。また、呼吸を両側にさせたいのであれば、右側、左側それぞれに練習をすれば済むだけの話です。

 

 

片手でのクロールと同じ様に、姿勢&タイミングが正しいか?に留意し、良ければフルサイズのビート板 → ハーフサイズのビート板 → ビート板無しへと補助具を減らし練習を進めます。

 

今まで前で腕を支えてくれていたビート板がなくなると、呼吸の際に腕が下に沈んで姿勢が崩れてしまう生徒が必ず居ます。その様な生徒には

 

・呼吸をする時には、前に伸びている腕をグイッと前方に突き出す感じで…
・伸びている腕を枕にするように頭を寝かせて
・呼吸を素早く

 

を助言し、難しい様であれば1段階前の練習に立ち戻って正しい動作の練習を繰り返します。

 

 

練習は短い距離をたくさん繰り返すのが良い

全ての種目の練習の目的は、あくまで正しい動作の習得にあります。それは、いつも正しい動作で練習することによって初めて身に付くものです。

 

そのため、指導している生徒が正しい動作で行える距離で練習を行うことが大切で、その成否は生徒が泳ぐスピードが低下して居ないか?によって判断することが出来ます。逆に、生徒に触れずに、そのスピードを保つ様な補助をして泳がせることが出来ればそれも可能です。

 

一方、生徒のスピードが衰え、姿勢が崩れた状態で長い距離を泳がせるのは、生徒に悪い癖を付けさせているだけの練習です。クロールに限らず、呼吸さえできれば生徒はギリギリまで頑張れますが、ヨレヨレの状態で泳いでしまった1本は残念ながら一生戻ってきません。生徒に「何m泳げたんだよ!」という自信を持たせる、というのは教える側の自己満足や欺瞞でしかないのです。

 

そうした意味合いもあり、小生が行うクロール初心者の練習は長くても12〜15mです。その代わり、本数は多いですけどね。そうして正しい動作を身に付けた生徒は、ある日、ヒョイッと25mを完泳してしまいます。

 

 

如何でしたか。

 

今回はの記事は、クロール上手に泳ぐには…のシリーズの4回目で「クロールを上手に泳ぐには、呼吸が出来れば泳げる距離がグンと伸びる…という話(その4)」と題して書きました。

 

クロールだけでなく、全ての泳ぎで呼吸が楽にできれば泳げる距離は大きく伸びます。初めて水泳を習い、今まではビート板などの補助具なしには泳げなかった生徒にとっては、呼吸法を身に付け自分の力の尽きるまで泳いで行けるのは素晴らしい体験であると思います。

 

次回のこの「クロールを上手に泳ぐには…」は、クロール25mを”難なく”泳げる様になった初心者の生徒に指導する、さらにスムーズに泳ぐ方法について記事にする予定です。

 

また、記事の内容に関する疑問・質問・ご意見などがあれば、メニューの「お問い合わせ」または最下段にある「コメントを書き込む」から何なりとメッセージを頂ければ幸いです。小生の判る範囲でお答え申し上げます。

 

 

今回の記事はここまでです。

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